合格超特急


 労務管理などに関する様々な話題を「お話し」としてまとめています。なお、選択式試験の選択肢とされる可能性のあるものにつきましては、キーワードとして別に解説しあるいは色を変えて表示しています。
  
※ 本ページ作成にあたり参考とさせていただいた文献・資料などはページ末に一括して記載しています。

下のドロップダウンメニューから選択してください。その下のリンクからでも移動できます。

第10話 「年功賃金」のお話し 第9話 「給与明細」のお話し2
第8話 給与明細のお話し1 第7話 「人に関する」お話し 第6話 「賃金制度」のお話し
第5話 「教育訓練・能力開発」のお話し 第4話 「専門職制度」のお話し 第3話 「人事考課」のお話し
第2話 「マネジメント理論」のお話し 第1話 「労務管理」のお話し


03/06/15
 10話 「年功賃金」のお話し
 以前に、賃金制度のお話しをしましたが、今回は少し趣きを変え、年功賃金制度について若干お話しをしてみたいと思います。
 皆さんご承知のとおり、日本的雇用慣行として終身(長期)雇用と年功賃金制度があります。年功賃金は年齢や勤続年数に伴い賃金が上昇していくものですが、日本は賃金プロファイルの傾きが急であるという特徴を持っています。
 近年労働環境が厳しさを増すにつれ、この傾きがフラットなものに変化しつつあることは厚生労働白書でも報告されており、日本の雇用慣行が今まさに変化しつつあると言えます。企業側は人件費負担の増大を回避しようと努力し、また働く側も若年層を中心に年功賃金を肯定する人が少なくなっています。
      概念図
年功賃金概念図

 一方年功賃金は、若いときは労働生産性以下の賃金で、中高年では労働生産性以上の賃金を受けると考えることができます。これは、雇用する側とされる側で、長期雇用と将来的な賃金補填が暗黙の契約が結ばれているというものです。
 この契約により、企業は安定した労働力を確保できるとともに、労働者個人の人的資本形成を通じて生産性の向上につながることとなります。労働者は長期雇用と一定の賃金が保障されることになります。
 ところで、賃金と生産性が交差する点は何歳くらいだと思われますか。業種や職種により様々ですが、30歳半ばとも20代後半とも言われています。通説に従いますと、私のように40代半ばともなりますと、とうに賃金が生産性を上回っていることになり、今は若い時の預託金をいただいているということになるようです。

 今日、企業を取り巻く環境が厳しさを増し、人件費負担は増加は企業経営を圧迫する一つの要因となっています。また、労働環境も様々に変化し年俸制や出来高払い賃金が多く取り入れられるようになっています。
 年功賃金から出来高払い賃金への転換は、中高年の労働者にとっては、それまでせっせと仕事をし、会社に預けておいたお金を引き出さないうちに、突然「生産性が低下しているあなたの賃金はこれだけ」などと決められることとなり、たまったものではありません。早期退職優遇制度など何の優遇でもなく、単に自分の若いうちにの蓄えを受け取ることに過ぎないといった考え方もできます。
 この先、特に中高年者にとっては、いろいろな意味で働きにくい環境となることが予測できます。社労士合格をはじめ様々な方法でスキルアップに努め、「体力は低下しても知力は上昇している」と胸を張って言えるよう、ともに頑張りましょう。
 今回は、自分の思いばかりが強く出てしまい、あまり皆さんの参考にならないかもしれません。ただ、平成14年の厚生労働白書は今年の試験で出題される可能性が大きいところですので、おぼえておかれて損はないと思います。

参照
■ 平成14年版厚生労働白書(要約)

03/02/09
 話 「給与明細」のお話し2
 前回に引き続いて給与明細に関するお話を少々。今回は控除項目のお話です。控除項目で代表的なものは社会保険料と税金です。社会保険料は言うまでも無く社労士試験の対象となる健康保険(以下「健保」と省略します)、厚生年金(以下「厚年」と省略します)、雇用保険(以下「雇用」と省略します)です。
 健保や厚年の保険料が標準報酬に基づき決められていることは皆さんよくご存知ですね。この標準報酬は健保と厚年で若干の違いがあり、健康保険は第1級の9万8千円(03/02/09現在、以下同じ)から第39級の98万円、また厚生年金は第1級の9万8千円から第30級の62万円となっています。
 蛇足ですが、ここに書いた等級と金額(1級、30級、39級と各金額)は等級表の節目であり試験の要注意ポイントです。標準報酬の決定の仕方や改定などについては、社会保険庁のホームページで紹介されていますので、ご覧になっておいてください。
 健康保険と厚生年金以外の社会保険料として雇用保険料があります。雇用保険料は事業主が一旦預かり、年に一度の精算手続きを行います。この精算手続きは「年度更新」(厚生労働省HP参照)と呼ばれ、社労士試験の出題対象です。雇用保険料も等級により徴収される額が異なります。
 皆さんもご自分の給与明細の社会保険料について、一度ご自身で計算してみてください。そして、先の先のことではありますが、自分が年金を受給する時、年間いくらの金額が支給されるのか、あるいは失業給付はいくら貰えるのかなど、様々な事柄についてご自身のことを調べておかれますと忘れにくくなる上、もし忘れたとしても、思い出すきっかけがいろいろありますので受験の際役に立ちます(各種ノウハウ集参照)
 社会保険料の他の控除項目として所得税と住民税があります。所得税は課税支給額から控除項目を差し引き、税率をかけて算出(決まった計算式がありそれに基づき算出されます)したものであり各月ごとに異なります。一方住民税は前年の所得を元に決定されるものであり、1年分を12回に分けますので毎月決まった額となります。また、いずれの税においても社会保険料は全額控除対象となります。なお、第34回試験の選択式社会保険に関する一般常識問題でこのことが出題されました。
 給与の各項目について勉強しておかれますと、明細の内容が良くわかるだけでなく、年末調整の際などもあらかじめ自分で計算できるようになりますので、追徴金や還付金について事前にわかり、年調還付がある場合など、争奪戦の作戦??が立てやすくなるという副次的効果も発生することとなります。
 ※上記のリンクは新しいページが開きます。

参照
■ 社会保険庁ホームページ
■ 厚生労働省のホームページ労働保険制度



03/01/28
 話 「給与明細」のお話し1
 サラリーマンの場合はあたりまえの給与明細ですが、皆さんはどれだけこの明細を見ておられるでしょう。総務関係のお仕事の方は別として、給与の支払いが金融機関への振込みで、給料日には明細だけという方は、あまり明細を見ていないのではないでしょうか。それともご家庭に報告するため、明細を穴があくほど眺め、時にはため息をついておられる方もあるかもしれません。もっとも合格超特急にご乗車の皆様のことですから、この数字をこう変えてなどと考えている方は無いと思います。
 ところで、この明細ですが、社労士試験を受験される皆さんには都合の良い勉強材料となります。今回はこの「給与明細」を話題に取り上げ、何回かにまとめて見たいと思います。総務以外のお仕事の方など普段あまり給与明細に縁の無い方はお付き合いください。
前置きが長くなってしまいましたがはじめさせていただきます。皆さんのお手元に「明細表(票)」がありましたらいっしょにご覧ください。

 給与明細は企業ごとに様式が異なりますが、大きく分けて支給と控除の項目、その他として支給や控除の累計などがあります。支給項目も各社同じものもあれば違う名称のものもあります。
 ちなみに労働基準法では「賃金」という言葉〔賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう。--11条〕を使っています。
 皆さんの会社の支給項目はどうなっていますか。基本給・家族手当・皆勤手当・時間外手当・休日手当・通勤手当等々の項目が並んでいると思います。このうち着目していただきたいのが、時間外や深夜あるいは休日などのいわゆる「割増賃金」労働基準法第37条の部分です。給与明細には金額しか書かれておらず、皆さんご自分の割増単価をあまり気にされることは無いかもしれませんが、一度ご自分の時間あたりの単価を計算してみてください。難しい場合は総務の担当の方にそれとなく聞いてみられると良いと思います。なお、「自分の会社はこうなっているがおかしいのではないか」というご質問はどうかご容赦ください。各社業種により所定労働時間数のとり方が異なり、また基本給の性格も千差万別でしょうから、経験浅すぎる私ではお答えのしようがないのです。
 それから、労働基準法上賃金となるものとならないものがあります。たとえば、結婚祝金や見舞金などの恩恵的なもの、福利厚生的な現物給付としての住宅・食事等や制服・作業服といったものは賃金ではありませんが、場合によっては賃金となることがありますので注意が必要です。なお、税法上の所得としての取り扱いはまた異なるようですが、社労士受験の皆さんはそこまで手を広げないでおきましょう。

 上に書いたことを調べるだけでも、時間外や休日の割増率などが勉強できます。さらに、自分に直接かかわることですから忘れにくくもなります。このように、時間があれば身近なものを題材にして勉強してください。少々長くなりましたのでこのへんで区切らせていただきます。

 厚生労働省のホームページで法令検索が可能です。時間がありましたら労働基準法第11条や37条を見ておいてください。
 


02/07/21
 話 「人に関する」お話し
 昨年の選択式試験の「労務管理その他の労働に関する一般常識」でテーラーの科学的管理法が出題されました。一昨年のドラッカー、マグレガーに続いてのものでした。テーラーの科学的管理法はあまりにも有名であり多くの方が正解されたことと思います。今年の試験でマネジメント理論に関する出題があるか否かは疑問ですが、この分野は労務管理の基本でありますので、皆さんも代表的な理論(人間関係論あたり、今年は「出ごろ、出しごろ?」かも知れません。)についてはおぼえておいてください。
 なお、中小企業診断士試験では、マネジメント全般にわたりますので、
バーナード公式組織論サイモン意思決定論リッカートシステム論なども内容まで踏み込んで覚えておく必要がありますが、社労士試験の場合のキーワードは「人」ですから、あまり踏み込むのはどうかと思います。ただ、提唱者と理論名程度はおぼえておいてください。
 今回は繰り返しになりますが、「人」に関する話題を提供いたします。
 
「労働の人間化」(QWL)は労働者を人として尊重し、働く意欲に応えうる条件を整備することによりモチベーションを高め、生産性の向上を目指そうとするものであり、具体例として、職務再編成、職務拡大、職務充実、ジョブ・ローテーション、職務再設計などがあります。
 労務管理用語で言いますと、小難しく聞こえますが、ジョプ・ローテーションは定期異動ですし、職務拡大は人減らしによって必然的に仕事の範囲や量が増えてしまうなど、私たちの周りでは日常茶飯事の出来事です。本当の意味?での職務拡大や職務充実を望むところですが、今これを言うのは贅沢というものでしょうか。
 

↑このページ上へ



01/07/08
 話 「賃金制度」のお話し
 賃金制度は社労士試験出題の定番と言えるものであり、過去から繰り返し出題されています。私が受験した平成4年の試験の際も、記述式の労働に関する一般常識(当時)の出題は「職能給についてのべよ」(字数指定)であったように思います。今から10年程前のことですが、当時すでに能力・成果主義的賃金制度である職能給や職務給が、管理職層を中心に相当に拡大していたものと思われます。
 現在においてもこの傾向に変わりは無く、今後はさらに管理職以外にも能力・成果主義的賃金制度など比較的賃金格差の出やすい賃金制度が広がっていくことが予想されます。ただ、労働白書でも「1990年代の賃金制度の変化については、高齢化が進行する中で年功賃金が見直されるようになったものの、比較的賃金格差の出やすい賃金制度の導入の拡大は中高年齢者の大学卒ホワイトカラーという特定の層に限られており、全体としては、賃金決定の基準が年齢から能力や成果に移行しているというよりも、年齢間の賃金配分の仕方が除々に変わってきたという可能性が強い。」と指摘しているように、高齢化の進行が一つのキーワードとなるものと思えます。
 今後ますます高齢化社会が進展していく中で、若年労働者と労働力人口の減少が予想され、中高年齢者と女性の活用が重要となってくるでしょう。職務再設計管理職定年制選択定年制、ワークシェアリングの実施などとともに年功序列賃金の改革が一層進むものと予測されます。
 ただ、これはあくまで私見ですが、終身雇用制と年功序列賃金があったからこそ、企業戦士と呼ばれる人々が出現し企業をこれまで成長に導いてきたことは事実であり、必ずしも前時代の産物とは考えられません。確かに加齢とともに体力は衰えていきます。注意力や判断力も低下するかも知れません。だからと言って人員整理の対象とされたのではたまったものではありません。今後定年年齢が上昇する一方で賃金は低下していくでしょう。ただ単なる能力主義・成果主義的賃金ではなく、日本にふさわしい賃金制度の確立を望むものであります。

平成13年試験の「労務管理その他の労働に関する一般常識(選択式)」で、ワークシェアリングが出題されました。



01/07/04
 話 「教育訓練・能力開発」のお話し
 教育訓練も皆様おなじみのものですね。O.J.TやOff.J.Tなどという言葉を耳にされたこともあろうかと思います。企業における教育訓練は、新入社員から経営者まで様々なプログラムが考え出されています。
 このうち社労士試験に登場する可能性のあるのは、管理・監督者や中堅職員に対するものかと思います。戦後アメリカから導入した部課長等の管理職訓練用のM.T.Pや監督者訓練用のT.W.Iはおぼえておく必要があります。また、職場の長は問題解決能力の技能も必要なところから、この能力を育成するものとしてP.S.T(Problem Solving Training 問題解決訓練)があります。
 上記の教育訓練はあくまで企業の側が主体であるものですが、従業員が自発的におこなうものに能力開発があります。能力開発の中心となるものは自己啓発であり、社労士の資格を取得するために勉強している方の多くが、この自己啓発に取り組んでおられるものと思います。たとえば、皆さんの会社などで資格取得を奨励しておられるとしましたら、会社が皆さんの自己啓発活動を支援し、社員の能力開発を図っているということになります。
 この他で試験にでる可能性のあるものとしてC.D.Pや組織開発があります。なお、組織開発は目標管理や小集団活動とともに組織の活性化を図る手法でもあります。


01/07/01
 話 「専門職制度」のお話し
 1970年代後半以降、ライン管理職のほかに専門職制度を設ける企業が増加しました。導入理由としては、個々の労働者の能力の有効発揮組織の効率化を図るということですが、実際にはライン管理職のポストを不足を補う処遇的なものとして運用されている面が多々あり、本来の機能を十分発揮していない例も少なくないようです。しかしながら、最近では専門職制度の企業における位置付けが、職位の不足を補う処遇ポスト的なものから、各分野の個々の労働者スペシャリスト化を目指すが、あくまでも各分野のラインの業務の中でその専門性を活かすことを目的としたものに変わってきています。
 こうした変化の中で、労働者とっては、職位によることなく組織の中で存在価値が認められ、確固たる能力を身に付けることの重要性が増しており、労働者の意識も、従来管理職指向の高かった中高齢者についても、ライン管理職より専門職を指向する者の割合が高まっており、仕事の価値の変化の方向に沿った意識の変化が見らけるようになっています。
 労働白書によりますと、専門職制度の今後の方向としては、「当面現在の制度を維持していきたい」とする企業が減少する一方で、「もっと能力主義的なものに強化していきたい」とする企業が増加しており、本来の専門職制度の趣旨に沿った形に見直そうとの動きとなっています。こうした動きは、企業側からは情報化国際化知的価値の重視などにより専門人材・能力の必要性が高まるとともに、労働者側からは、急激な構造変化の中で従来のように企業に頼るのではなく企業外でも通用する能力を持つことが必要になるという意識が強まっているためと考えられます。社会保険労務士資格の取得を目指す方が増加しているのも、こうした考えの方が増えていることの現れと考えられます。
 こうした働く側の意識の高まりを企業として支援し、高い評価を与えるとともに、給与等の面においても一定の処遇を行っていくことが必要であると考えます。

↑このページ上へ



01/06/27
 話 「人事考課」のお話し
 人事考課といえば、社労士を目指す方でしたら皆さんよくご存知のことと思います。労働者として働くものすべてが何らかの形で係わり合いのあるものです。人事考課の用途としては、昇給査定昇進・昇格指導・訓練異動・配転賞与査定など様々なものがあります。使いみちが多様であるということは、人事考課もその用途に応じて、目的に合致した方法がとられなくてはなりませんし、人事考課の対象となる従業員の職種に応じた考課要素が選定される必要があります。
 また、評定方法が客観的かつ比較可能的であり、さらに何よりも評定者が適正に役割を果たし、評定にあたって生じやすい心理的な偏向(寛大化傾向、中心(中央)化傾向など)をできるだけ是正することが必要です。
 とろこで皆さんはご自身の評定結果をご存知でしょうか。一部の企業では評定結果を部下に開示し、評定する側とされる側がいっしょになって問題点を探るなどのことが行われているようです。
 人事考課は過去の主観的包括的なものから客観的分析的なものへ、ついで総合的なものへと発展しました。しかし、人が人を評価する以上、完全に関係者を満足させるだけの客観的妥当性のあるものは生まれないでしょう。
 人事考課のように労働者の具体的な給与決定や配置転換などに直接影響を与えるものについては、技術的に精緻化を図るより、考課結果を公開したうえ、十分に内容を説明し納得を得たり、苦情処理制度を設けるなどできるかぎり民主的な方法を採り入れ、考課結果を考課される者が信頼できるようにする配慮が必要といえます。
 特に、変わりつつあるとはいえ、まだまだ人と人との関係が重視される日本では、人間の心情を十分に配慮するやり方こそが重要であると思います。


01/06/24
 話 「マネジメント理論」のお話し
 労務管理に関する理論は様々なものがあり、それらの多くは労働意欲に関するものとなっています。過去社労士試験でも幾度となく出題されており、代表的なものだけはおぼえておく必要がありそうです。第2話はこうした様々な理論について順にみていきたいと思います。ただ、私自身これら様々な理論に精通しているものではないため、各理論の紹介程度に止まってしまうことをお許しください。
 まず、有名なものとしてテーラー(F.W.Taylor)科学的管理法があります。テーラーは「課業管理」を提唱し、1日の労働者の作業量を「動作研究」と「時間研究」から求め、「差別出来高払い制度」を提唱しました。テーラーによって基礎が定められた科学的管理の考え方は、その後自動車王フォードによって深められ、「標準化」と「移動組立法」という経営合理化システムが確立されています。
 テーラーの科学的管理はそれまでの「成り行き管理」、「目分量的管理」からの脱却という意味ですぐれたものでしたが、労働者を「経済人」としてしかとらえておらず、人間性の尊重に欠けているものでした。一方、労働者を人としてとらえようとするるものに、人間関係研究から生まれた人間関係論があります。これは、1924年から1932年にかけて、行われたホーソン実験の結果について1930年代末期までに理論化が図られたものです。
 人間関係論は人間性を追及した感情の理論と言え、労働者のモラール向上に役立つものでありましたが、人間の意識の中での金銭的物的欲求を取り上げていないという点に不備がありました。
 その後上記2つの理論の統合として60年代頃から行動科学の理論が展開されるようになりました。行動科学は各種の組織における人間の行動を実証的に研究し、統計的に考察することによって、組織における人間行動に共通した原理や法則を見出そうとして発達したものであり、モチベーション理論としてよく知られているものに、マズロー(A.H.Maslow)の「欲求5段階説」、ハーズバーグ(F.Herzberg)の「モチベーション(動機づけ)・衛生理論」、マグレガー(D.McGregor)の「X理論・Y理論」があります。また、行動科学研究のもうひとつの理論としてリーダーシップ理論があります。これら様々な理論は古典的なものもあり、現在では必ずしも当てはまらない面もありますが、「労務管理の歴史」としておぼえておくと良いでしょう。(社会保険の一般常識での、保険年金制度の歴史も同様です)

平成13年試験の「労務管理その他の労働に関する一般常識(選択式)」で、テーラーの科学的管理法が出題されました。


01/06/22
 第話 「労務管理」のお話し
 ひとくちに労務管理と言いましても、労使関係の安定のためのものから、それに加え、賃金や福利厚生、安全衛生など労働条件の決定・運用などを行うためのもの、さらには人の問題すべてにかかわるような広い範囲でのものなど様々なものがあります。また時代や国によっても考え方や内容に大きな違いがあり、「労務管理とは何か」ということについては簡単に定義することは困難です。
 社会保険労務士試験で出題される「労務管理」(ここでは、「労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識」科目のうち労務管理だけに限定します。)につきましても、試験実施要項に「労務管理」と記されているだけでその範囲は明確ではありません。となりますと、社労士試験の「労務管理」は広い意味での「労務管理」ととらえることが必要かと思います。
 過去の出題も多岐にわたっており広い範囲での学習が必要となります。それにしても、採用管理、配置管理、退職管理、労働意欲管理、目標管理、賃金管理、労使関係管理等々管理のオンパレードです。私たち働く者はこれほどに様々な管理をされているのかと思いますと少々悲しい気もします。まっ、いずれにしましても社労士試験に出そうなところは勉強しておく必要がありますので、皆さん頑張ってください。これから先、このページで労務管理に関連した話題を取り上げ小文にしてまいります。標題どおり十六話まで発展できれば良いのですが、とりあえず今年の試験向けに6話程度ご用意させていただきたいと思います。


  使用キーワード一覧
[職能給] [職務給] [労働力人口] [ワークシェアリング] [職能資格制度] [OJTとOff-JT] [M.T.P] [T.W.I] [C.D.P] [組織開発] [目標管理] [小集団活動] [専門職制度] [心理的な偏向] [マズローの「欲求5段階説」] [ハーズバーグの「モチベーション(動機づけ)・衛生理論」 [マグレガーの「X理論・Y理論」] [人間関係論 [リーダーシップ理論] [職務拡大] [職務充実] [ジョブ・ローテーション]

参考文献
 人事・労務管理の知識(森五郎著、日経文庫)、中小企業診断士試験精選問題集(日本マンパワー出版)、中小企業診断士受験講座テキスト(日本マンパワー)、労働白書12・11・10年版(CDロム版)、現代用語の基礎知識(自由国民社)、イミダス(集英社)、らくらく合格うかるぞ社労士(週刊住宅新聞社)




  〈〈戻る


1号車(社労士いろはにほへと)2号車(試験概要)3号車(超特急学習法)4号車(各種ノウハウ集)5号車(学習重要ポイント)6号車(重要通達集)7号車(超特急十六夜記)8号車(受験体験記)9号車(徒然なるままに)
線路

先頭車 超特急資料室 合格祈願 サイトマップ 乗り換え〔リンク〕

社会保険労務士合格超特急 http://www.sr59.net/