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第34回(平成14年)試験問題から   【択一式問題】

働基準法及び労働安全衛生法


〔問〕  労働基準法の総則等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
 均等待遇を定めた労働基準法第3条では、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として貸金、労働時間その他の労働条件について差別的取扱をすることは禁止されているが、性別を理由とする労働条件についての差別的取扱は禁止されていない。
 労働組合のない事業場において、労働基準法第36条の規定に基づく時間外労働・休日労働に係る労使協定を締結する場合、労働者側の締結当事者たる「労働者の過半数を代表する者」を選出するときの当該事業場の労働者数の算定に当たっては、当該事業場においては時間外労働及び休日労働が全く予定されていないようなパートタイム労働者なども含めなければならないが、長期間の病気などにより休職発令を受けて休職中の労働者で当該協定期間中に出勤が全く予想されないものは含まれない。
 労働基準法の別表第1には第1号から第15号まで各種の事業が掲げられているが、同法の適用はこれらの事業に限られるものではない。
 労働者派遣は、派遣元と労働者との間の労働契約関係及び派遣先と労働者との間の指揮命令関係を合わせたものが全体として当該労働者の労働関係となるものであり、したがって、派遣元による労働者の派遣は、労働関係の外にある第三者が他人の労働関係に介入するものではなく、労働基準法第6条の中間搾取に該当しない。
 使用者は、労働基準法第7条の規定により、労働者が労働時間中に公の職務を執行するために必要な時間を請求した場合においては拒んではならないが、この「公の職務の執行」には、消防組織法第15条の6の非常勤の消防団員の職務は該当しないと考えられている。
解答 B
 


〔問〕  労働基準法に定める労働契約等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
 いわゆる在籍型出向の出向労働者については、出向元及び出向先の双方とそれぞれ労働契約関係があるので、原則として出向元及び出向先に対してはそれぞれ労働契約関係が存する限度で労働基準法等の適用があるが、そのうち労働契約関係の基本である賃金に関する事項については出向元のみが使用者となり、それ以外の事項についでは、出向元、出向先及び出向労働者三者間の取決めによって定められた権限と責任に応じて、出向元の使用者又は出向先の使用者が出向労働者について労働基準法等における使用者としての責任を負うものと解されている。
 休職に関する事項は、使用者がこれに関する定めをする場合には、労働基準法第15条第1項及び同法施行規則第5条第1項の規定により、労働契約の締結に際し労働者に対して明示しなければならない労働条件とされており、また、それが当該事業場の労働者のすべてに適用される定めであれば、同法第89条に規定する就業規則の必要記載事項でもある。
 労働基準法第15条では、使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならず、そのうち一定の事項については書面の交付により明示しなければならないとされているが、健康保険、厚生年金保険、労働者災害補償保険及び雇用保険の適用に関する事項もこの書面の交付により明示しなければならない事項に含まれている。
 労働基準法第16条においては、使用者は労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならないとされているが、使用者が労働者の親権者又は身元保証人との間で、これら親権者又は身元保証人が当該労働者の行為について違約金又は損害賠償額の支払義務を負担する契約を締結しても、それは本条に違反するものではない。
 使用者が前借金その他労働をすることを条件とする前貸の債権と賃金を相殺することは労働基準法第17条において禁じられているので、例えば使用者からの住宅建設資金の貸付に対する返済金のように融資額及び返済額ともに相当高額に上り、その返済期間も相当長期間にわたるものについてはすべて、たとえ同法第24条第1項の規定に基づく賃金控除に係る労使協定がある場合であっても、賃金との相殺はできない。
解答 B
 


〔問〕  労働基準法に定める賃金等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
 商法による新株予約権(いわゆるストックオプション)制度では、この制度から得られる利益は、それが発生する時期及び額ともに労働者の判断に委ねられているが、労働の対償と考えられ、労働基準法第11条の賃金に該当する。
 平均賃金は、原則としてこれを算定すべき事由の発生した日以前3か月間にその労働者に対して支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除して算定するものとされており、その期間は、賃金締切日がある場合においては直前の賃金締切日から起算することとされているが、雇入後3か月未満の労働者の平均賃金を算定する場合には、原則的な計算期間の3か月に満たない短期間であるので、賃金締切日の有無にかかわらずすべて算定事由発生日以前雇入後の全期間について計算することとされている。
 労働基準法第37条第4項に基づく同法施行規則第21条の規定によって、割増賃金の計算の基礎となる賃金には住宅手当は算入されないこととされており、この算入されない住宅手当には、例えば、賃貸住宅の居住者には3万円、持家の居住者には1万円というように、住宅の形態ごとに一律に定額で支給することとされている手当も含まれる。
 年間賃金額を予め定めるいわゆる年俸制を採用し、就業規則により、例えば決定された年俸の17分の1を月例給与として支給し、決定された年俸の17分の5を二分して6月と12月に賞与として支給することを定めて支給しているような場合には、これらの賞与は、労働基準法第37条の割増賃金の計算の基礎となる賃金から除外することはできない。
 労働基準法第24条第1項においては、賃金は、通貨で支払わなければならないと規定されているが、同項ただし書において、法令に別段の定めがある場合、当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合又は厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労働省令で定めるものによる場合においては、通貨以外のもので支払うことができると規定されている。
解答 D
 


〔問〕  労働基準法に定める労働時間等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
 労働基準法第32条の労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、この労働時間に該当するか否かは、労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かにより客観的に定まるものであって、労働契約、就業規則、労働協約等の定めのいかんにより決定されるべきものではない。
 労働基準法第32条の3に規定するいわゆるフレックスタイム制を採用するに当たっては、使用者は、原則として、当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により一定の事項を定めて実施する必要があるが、必ずしもその事業場の労働者の過半数がフレックスタイム制の適用を受ける場合でなくともこの制度を採用することができる。
 使用者は、労働基準法第66条第2項の規定により、妊娠中の女性及び産後1年を経過しない女性(以下「妊産婦」というの)が請求した場合においては、同法第33条第1項及び第3項並びに第36条第1項の規定にかかわらず、時間外労働又は休日労動をさせてはならないが、この第66条第2項の規定は、妊産婦であつても同法第41条第2号に規定する監督又は管理の地位にある者に該当するものには適用されない。
 労働基準法では、休憩時間や労働時間について、例えば、航空機による旅客運送の事業における航空機の操縦士で長距離にわたり継続して乗務する者については休憩時間を与えないことができることとされ、また、坑内労働については労働者が坑口に入った時刻から坑口を出た時刻までの時間を休憩時間を含めて労働時間とみなしている。
 使用者は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」第23条第1項の規定に基づき、生後満1年に達しない生児を育てる女性労働者に対し、始業時刻を30分繰り下げ、かつ、終業時刻を30分繰り上げる措置を講じている場合においては、当該措置の適用を受けている労働者については、当該労働者からの請求の有無にかかわらず、労働基準法第67条の育児時間を与える必要はない。
解答 E
 


〔問〕  労働基準法に定める年次有給休暇に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
 使用者は、その事業場に、同時に採用され、6か月間継続勤務し、労働基準法第39条所定の要件を満たした遇の所定労働時間15時間(勤務形態は1日3時間、週5日勤務)の労働者と週の所定労働時間28時間(勤務形態は1日7時間、遇4日勤務)の労働者の2人の労働者がいる場合、前者に対しては、後者より多くの日数の年次有給休暇を付与しなければならない。
 労働基準法第39条の年次有給休暇の権利の実効を確保するため、同法では、使用者は、毎年度当初に、個々の労働者に対して、その年度においてそれぞれの労働者が取得可能な年次有給休暇の日数を通知し、その請求予定時季を聴かなければならないこととされている。
 年次有給休暇の斉一的取扱いく原則として全労働者につき一律の基準日を定めて年次有給休暇を与える取扱いをいう。)を行っている事業場において、毎年4月1日を基準日として年次有給休暇を付与している場合に、1月1日入社の労働者にその年の4月1日の基準日に労働基準法所定の年次有給休暇を付与する場合には、年次有給休暇の付与要件である「全労働日の8割以上出勤」の算定に当たっては、1月1日から3月31日までの間の実績についてのみ計算すれば足りる。
 労働基準法第39条の年次有給休暇を労働者がどのように利用するかは、労働者の自由であるが、労働者がその所属の事業場においてその業務の正常な運営の阻害を目的として一斉に年次有給休暇を届け出て職場放棄する場合は、年次有給休暇に名をかりた同盟罷業にほかならないから、それは年次有給休暇権の行使ではない。労働者が、他の事業場における争議行為に年次有給休暇をとって届け出て参加するような場合も、同様にそれは年次有給休暇権の行使ではない。
 年次有給休暇の付与要件である「全労働日の8割以上出勤」における全労働日の日数は、就業規則その他によって定められた所定休日を除いた日をいう。したがって、所定の休日に労働させたとしてもその日は全労働日に含まれないが、逆に、使用者の責に帰すべき事由による休業の日については、ここでいう全労働日に含まれる。
解答 A
 


〔問〕  労働基準法に定める就業規則等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
 就業規則に関しては、新たな就業規則の作成又は変更によって、既得の権利を奪い、労働者に不利益な労働条件を一方的に課することは、原則として許されないが、当該規則条項が合理的なものであるかぎり、個々の労働者において、これに同意しないことを理由として、その適用を拒否することは許されない、とする旨の最高裁判決がある。
 就業規則で労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、1回の額が平均貸金の1日分の半額を超えてはならず、また、一貸金支払期に発生した数事案に対する減給の総額が当該貸金支払期における賃金の総額の10分の1を超えるとしても、当該賃金支払期における実際の減給の総額は、当該賃金支払期における賃金の総額の10分の1以内でなければならない。
 労働基準法第89条第1号により、始業及び終業の時刻に関する事項は、就業規則のいわゆる絶対的必要記載事項となっているが、フレックスタイム制を採用する場合には、始業及び終業の時刻を労働者の決定にゆだねる旨の定めをすれば同条の要件を満たすものとされている。その場合、コアタイム(労働者が労働しなければならない時間帯)、フレキシブルタイム(労働者がその選択により労働することができる時間帯)も始業及び終業時刻に関する事項であるので、それらを設けるときには、就業規則においても規定すべきものである。
 派遣労働者に関して、労働基準法第89条により就業規則の作成義務を負うのは、派遣中の労働者とそれ以外の労働者とを合わせて常時10人以上の労働者を使用している派遣元の使用者である。
 就業規則で、労働者が遅刻をした場合にその時間に相当する賃金額を減額する制度を定める場合には、減給の制裁規定の制限に関する労働基準法第91条の規定の適用を受ける。
解答 E
 


〔問〕  労働基準法の雑則等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
 労働基準法第104条では、事業場に、同法又は同法に基づいて発する命令に違反する事実がある場合においては、労働者は、その事実を行政官庁又は労働基準監督官に申告することができ、使用者は、そのような申告をしたことを理由として、労働者に対して解雇その他不利益な取扱をしてはならないこととされており、それに違反した使用者に対しては罰則が規定されている。
 タイムカード等の記録、残業命令書及びその報告書など労働時間の記録に関する書類は、労働基準法第109条に規定する「その他労働関係に関する重要な書類」に該当し、使用者は、これらの書類を3年間保存しなければならない。
 労働基準法の規定中、地方公共団体の職員に関して適用されるものを適用する場合における職員の勤務条件に関する労働基準監督機関の職権は、すべての職員について、人事委員会又はその委任を受けた人事委員会の委員〈人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の長)が行うものとされている。
 使用者は、事業を開始した場合においては遅滞なく、所定の様式により、その事実を所轄労働基準監督署長に報告しなければならない。
 使用者は、労働基準法第39条の年次有給休暇の期間については、同条第6項の規定の定めるところに従い、平均賃金、所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金又は健康保険法第3条に定める標準報酬日額に相当する金額を支払わなければならないが、これに違反した場合の罰則は、通常の賃金支払いに関する労働基準法第24条違反の罰則よりは重いものが規定されている。
解答 C
 


〔問〕  労働安全衛生法に定める安全衛生管理体制に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
 事業者は、産業医を選任するに当たっては、衛生委員会に調査審議させ、その意見を聴かなければならない。
 労働安全衛生規則においては、常時300人未満の労働者を使用する事業場に置かれる産業医は、少なくとも3か月に1回作業場等を巡視し、作業方法又は衛生状態に有害のおそれがあるときは、直ちに、労働者の健康障害を防止するため必要な措置を講じなければならないと規定されている。
 安全管理者は、都道府県労働局長又は都道府県労働局長の指定する者が行う講習を修了した者のうちから選任しなければならない。
 定期に行われる健康診断、労働安全衛生法第66条第4項の規定による指示を受けて行われる臨時の健康診断、同法第66条の2の労働者が自ら受けた健康診断及び同法に基づく省令の規定に基づいて行われる医師の診断、診察又は処置の結果並びにその結果に対する対策の樹立に関することは、衛生委員会の付議事項とされており、これらの健康診断の結果には、受診労働者個々の健康診断結果も含まれる。
 安全委員会、衛生委員会又は安全衛生委員会を設けている事業者以外の事業者は、安全又は衛生に関する事項について、関係労働者の意見を聴くための機会を設けるようにしなければならない。
解答 E
 


〔問〕  請負関係等に係る労働災害の防止に関する次の記述のうち、労働安全衛生法に規定のないものはどれか。
 元方事業者は、関係請負人又は関係請負人の労働者が、当該仕事に関し、労働安全衛生法又は同法に基づく命令の規定に違反していると認めるときは、是正のため必要な指示を行わなければならない。
 建設工事の注文者等仕事を他人に請け負わせる者は、施工方法、工期等について、安全で衛生的な作業の遂行をそこなうおそれのある条件を附さないように配慮しなければならない。
 注文者は、その請負人に対し、当該仕事に関し、その指示に従って当該請負人の労働者を労働させたならば、労働安全衛生法又は同法に基づく命令の規定に違反することとなる指示をしてはならない。
 建設工事の注文者等仕事を他人に請け負わせる者は、当該仕事を他人に請け負わせるに際し、関係請負人に対して、当該仕事に関し安全で衛生的な作業の遂行のため必要な事項を教示しなければならない。
 特定事業の仕事を自ら行う注文者は、建設物等、当該仕事を行う場所においてその請負人(当該仕事が数次の請負契約によって行われるときは、当該請負人の請負契約の後次のすべての請負契約の当事者である請負人を含む。)の労働者に使用させるときは、当該建設物等について、当該労働者の労働災害を防止するため必要な措置を講じなければならず、当該注文者が講ずべき措置は、厚生労働省令で定めることとされている。
解答 D
 


〔問10〕  労働安全衛生法に定める機械等から生ずる労働災害の防止に関する規定についての次の記述のうち、誤っているものはどれか。
 労働安全衛生法第37条第1項の特定機械等(以下「特定機械等」という。)を製造しようとする者は、あらかじめ都道府県労働局長の許可を受けなければならない。
 事業者は、特定機械等である移動式クレーンについては、厚生労働大臣の定める基準(移動式クレーンの構造に係る部分に限る。)に適合するものでなければ使用してはならない。
 動力により駆動される機械等で、作動部分上の突起物又は動力伝導部分若しくは調達部分に一定の防護のための措置が施されていないものは、譲渡し、貸与し、又は譲渡若しくは貸与の目的で展示してはならない。
 労働基準監督署長又は製造時等検査代行機関は、特定機械等(移動式のものを除く。)の設置に係る検査に合格したものについて、検査証を交付する。
 労働安全衛生法第39条の規定に基づく検査証を受けていない特定機械等は、使用してはならない。
解答 D
 


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