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第34回(平成14年)試験問題から   【択一式問題】

労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識


〔問〕  賃金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
 厚生労働省「毎月勤労統計調査」によれば、平成12年の賃金(現金給与総額)は、前年比0.5%増と3年ぶりに増加に転じた。これを、一般労働者とパートタイム労働者別にみると、それぞれ前年比1.1%増及び2.6%増となっている。平成13年版労働経済の分析(労働経済白書)では、このような現象を踏まえ、一般労働者に比べ賃金の低いパートタイム労働者の増加は、平均賃金を押し下げる効果を持っている、と分析している。
 厚生労働省「平成13年貸金引上げ等の実態に関する調査報告」(以下「賃上げ実態調査」という。)によれば、平成13年中に賃金の改定を実施又は予定している企業割合は2割強程度で、賃金の改定を実施しない企業割合は8割弱経度である。
 賃上げ実態調査によって、賃金の改定の決定に当たり最も重視した要素を見ると、「世間相場」とする企業割合が最も高く、次いで「企業業績」、「労働力の確保・定着」、「労使関係の安定」の順となっている。
 平成14年の春季労使交渉(春闘)において、金属労協(全日本金属産業労働組合協議会)傘下の労働組合に対して、一律に経営側からベースアップゼロ及び定期昇給停止との回答がなされ、回答どおりの内容での妥結となった。しかも、この妥結後に、あらためて賃金カットの提案を労働組合に行う企業も見られるなど労働者にとって厳しいものとなった。
 賃金カットは、労働条件の不利益変更に当たるが、定期昇給の停止は、定期昇給が就業規則に規定されていたとしても、賃金の基準そのものを不利益に変更するものではないので、就業規則を改定せずとも経営上の理由により、いかなる場合であっても実施可能である。
解答 A
 


〔問〕  高年齢者の雇用に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
 なお、この間において「年齢指針」とは「労働者の募集及び採用について年齢にかかわりなく均等な機会を与えることについて事業主が適切に対処するための指針(平成13年厚生労働省告示第295号)」のことであり、「高年齢者雇用安定法」とは「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」のことである。
 平成13年における完全失業率は5.0%に達し、特に男性の60〜64歳層では10%を超えている。
 定年(65歳未満のものに限る。)の定めをしている企業では、現に雇用している高年齢者が希望するときは、当該高年齢者をその定年後も65歳までは引き続いて雇用する継続雇用制度を導入しなければならない。
 β社は、製造業を営む企業であるが、昭和50年から今なお58歳定年制をとっている。この制度には労働者からも大変に感謝されており、定年の日には円満退職ということで、家族を招いてのハッピーリタイヤメントパーティを欠かさずに開催している。同社では、今後も家族的な雰囲気のある経営を続けたいと思っている。
 年齢指針は、平成13年10月1日から適用されており、あらゆる職種や業務に関し、事業主が労働者の募集及び採用に当たって、労働者の年齢を理由として、当該労働者を排除しないことを義務付けたものである。
 年齢指針は、高年齢者雇用安定法第1条の「この法律は、定年の引上げ、継続雇用制度の導入等による高年齢者の安定した雇用の確保の促進、高年齢者等の再就職の促進、定年退職者その他の高年齢退職者に対する就業の機会の確保等の措置を総合的に講じ、もつて高年齢者等の職業の安定その他福祉の増進を図るとともに、経済及び社会の発展に寄与することを目的とする。」との規定に基づき定められたものである。
解答 A
 


〔問〕  次の記述のうち、正しいものはどれか。
 なお、この間において「派遣法」とは「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律」のことであり、「障害者雇用促進法」とは「障害者の雇用の促進等に関する法律」のことである。
 障害者雇用促進法の改正により、平成10年7月1日から障害者の範疇に知的障害者も加えられたが、一般の民間企業〈常用労働者数56人以上規模の企業)の法定雇用率は、1.6%に据え置かれた。
 障害者の法定雇用率未達成の事業主は、障害者雇用納付金として、公共職業安定所長に不足数一人につき月額5万円を納める義務を負う。
 賃金の支払の確保等に関する法律施行令が一部改正され、立替払の対象となる未払賃金の限度額が、平成14年1月1日以後の退職者から引き上げられることとなった。すなわち、立替払の対象となる未払貸金の限度額を、退職日において30歳未満である者は70万円から110万円に、30歳以上45歳未満である者は130万円から220万円に、45歳以上である者は170万円から370万円に、引き上げたものである。これにより、例えば、退職日の年齢が50歳で未払賃金が400万円ある退職者の立替払額は、改正前の136万円から改正後は296万円になった。
 規制緩和が図られた結果、派遣法においてもすべての業務について、公共職業安定所への届出だけで足りるとされ、派遣労働が自由化された。
 厚生労働省発表の「労働者派遣事業の平成12年度事業報告の集計結果について」により事業運営状況をみると、派遣元事業所(一般労働者派遣事業所及び特定労働者派遣事業所)における派遣労働者数は約139万人と増加(対前年度比1.8%増)している。139万人の派遣労働者のうち常用雇用労働者の方が、登録者より多い。
解答 C
 


〔問〕  次の記述のうち、誤っているものはどれか。
 なお、この間において「個別労働紛争解決促進法」とは「個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律」のことである。
 個別労働紛争解決促進法の目的は、労働条件その他労働関係に関する事項についての個々の労働者と事業主との間の紛争について、迅速かつ適正な解決を図ることである。解雇、労働条件の変更等の労働条件やセクシュアルハラスメント等に関する紛争はこの法律の対象になるが、労働者の募集及び採用に関する個々の求職者と事業主との間の紛争はこの法律の対象にならない。
 個別労働紛争解決促進法の施行状況を、平成13年10月からの3か月間の相談件数でみると、労働関係法令の違反を伴わない、民事上の個別労働関係紛争において、解雇に関するものが最も多く、次いで賃金等の労働条件の引下げに関するものが多かった。
 企業の常用労働者に対する過不足感を、厚生労働省「労働経済動向調査(平成14年2月調査)」でみると、調査産業計で「過剰」とする事業所の割合が「不足」とする事業所の割合を上回っており、前年11月調査時点よりも過剰感が強まっている。
 また、雇用調整を実施した事業所(平成13年10〜12月期実績)における雇用調整の実施方法としては「残業規制」とする事業所の割合が最も高く、次いで「配置転換」、「中途採用の削減・停止」の順となっている。
 本年3月に「ワークシェアリングについての基本的な考え方」に関する厚生労働大臣、日本経営者団体連盟会長及び日本労働組合総連合会会長の三者による合意が図られた。その中で、今後、政府、日本経営者団体連盟及び日本労働組合総連合会の三者は、これらを労使関係者に広く周知するとともに、ワークシェアリングの実施のための環境整備の具体化に向けて、更に検討を深めていくこととされた。
 「ワークシェアリングについての基本的な考え方」によると、我が国では、多様な働き方の選択肢を拡大する「多様就業型ワークシェアリング(正社員の短時間勤務や隔日勤務を導入するなど多様な働き方を実現するための手法)」の環境整備に早期に取り組むことが適当であり、また、当面の厳しい雇用情勢に対応するため、「緊急対応型ワークシェアリング(所定労働時間の短縮とそれに伴う収入の減額を実施する手法)」を実施することが選択肢の一つである、としている。
解答 A
 


〔問〕  次の記述のうち、誤っているものはどれか。
 なお、この間において「男女雇用機会均等法」とは「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律」のことである。
 採用内定に関しては、「企業の求人募集に対する大学卒業予定者の応募は労働契約の申込であり、これに対する企業の採用内定通知は右申込に対する承諾であって、誓約書の提出とあいまって、これにより、大学卒業予定者と企業との間に、就労の始期を大学卒業の直後とし、それまでの間誓約書記載の採用内定取消事由に基づく解約権を留保した労働契約が成立したものと認めるのが相当である。」旨の最高裁判決がある。
 企業の採用活動で、男性に送付する会社の概要等に関する資料の内容を、女性に送付する資料の内容と比較して詳細なものとすることは、男女雇用機会均等法違反となる。
 厚生労働省「雇用管理調査(平成13年)l(以下「雇用管理調査」という。)によると、平成13年3月大学卒業予定者に対する企業の採用活動開始時期は、事務職、技術・研究職では「12年4月」とする企業割合が最も高く、企業規模が大きくなるほど「12年4月以前」とする企業割合が高い。事務職、技術・研究職の採用内定時期は、「12年6月」とする企業割合が最も高いが、規模が大きくなるほど「12年6月以前」とする企業割合が高くなっている。
 雇用管理調査によると、平成13年3月大学卒業予定者の採用で、最も多く内々定ないし内定を出した時期を前年と比べると、事務職、技術・研究職とも「前年よりも早まった」とする企業割合が最も高く、次いで「前年と変わらなかった」、「前年よりも遅くなった」の順となっている。このように学生の採用活動の時期や内定を出す時期が早まっているのは、産業界と大学間で結ばれていた「就職協定」が、平成12年に廃止になったためと考えられる。
 雇用管理調査によると、中途採用者を採用した企業における採用の際の重視項目は、管理職、事務職では「職務経験」とする企業が最も多く、技術・研究職では「専門的知識・技能」とする企業が最も多い。現業職では「熱意・意欲」、「健康・体力」の順となっている。中途採用者のポストや貸金等の格付け決定基準は、いずれの職種においても「在職者貸金とのバランス」とする企業が最も多く、次いで管理職では「能力」、事務職、技術・研究職、現業職では「年齢」となっている。
解答 D
 


〔問〕  老人保健法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
 65歳の者も、障害の状態によっては、医療の対象となり得る。
 保健事業には医療の他、健康教育、健康相談、健康診査、機能訓練、訪問指導なども含まれる。
 老人保健法における「保険者」とは、医療に関する給付を行う政府、市町村、国民健康保険組合、健康保険組合である。
 市町村老人保健計画は、老人福祉法に規定する市町村老人福祉計画と一体のものとして作成されなければならない。
 高額医療費の支給要件、支給額などは、療養に必要な費用の家計に与える影響を考慮して、政令で定める。
解答 C
 


〔問〕  児竜手当法と児童扶養手当法の比較に関する記述のうち、正しいものはどれか。
 児童の定義は両法とも18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある者である。
 受給資格者が手当の支給を受けようとするときは、両法ともに、資格及び手当額の認定を、住所地の市町村長から受けなければならない。
 手当については両法とも毎年2月、6月及び10月の三期にそれぞれ前月までの分を支給される。
 所得額による支給制限は、児童手当では全額、児童扶養手当では全額又は一部の額となっている。
 費用の国庫負担割合は児童手当では10分の2、児童扶養手当では4分の3となっている。
解答 D
 


〔問〕  「女性と年金」に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
 第3号被保険者に係る費用負担については、独自の負担を求めることとせず、第2号被保険者が拠出した保険料によって賄う。
 厚生年金保険の適用基準については、「通常の就労者の所定労働時間及び所定労働日数の概ね4分の3以上である就労者については、原則として健康保険及び厚生年金保険の被保険者として取り扱うべきものであること」とされている。
 離婚時の年金分割の方法については年金に関する法律には規定されていない。
 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律に規定する育児休業又は介護休業を取得する厚生年金の被保険者について、休業期間における厚生年金保険料が免除される。
 高齢〈本人の老齢年金の受給権が発生後)の遺族配偶者(妻)が、老齢基礎年金及び老齢厚生年金の受給資格を有する場合、自らの老齢基礎年金を受給するとともに、自らの老齢厚生年金と夫の死亡により生じた遺族厚生年金の両方の受給権を持つことになることから、併給調整が行われる。
解答 D
 


〔問〕  社会保険審査官及び社会保険審査会法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
 各社会保険事務所に置かれた社会保険審査官は、石炭鉱業年金基金法の規定による審査請求の事件も取り扱う。
 審査請求は、口頭ですることができる。また、代理人によってすることができる。
 審理は非公開であるが、当事者の申立があったときは公開しなければならない。
 審査請求人は決定があるまでは、いつでも口頭か文書で請求を取り下げることができる。
 被保険者の資格、標準報酬に関する処分に対する審査請求は、原処分のあった日から起算して2年を経過したときは、することができない。
解答 B
 


〔問10〕  確定拠出年金法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
 確定拠出年金は、個人又は事業主が拠出した掛金を個人が自己の責任において運用の指図を行い、高齢期においてその結果に基づいた給付を受けることを目的とした、国民の自主的な努力を支援するものである。
 確定拠出年金には企業型年金と個人型年金がある。
 企業型年金の給付は、@老齢給付金、A障害給付金、B死亡一時金がある。
 企業型年金の事業主掛金の拠出限度額は、企業型年金加入者の厚生年金基金の加入員の資格の有無等によって異なる。
 資産の運用の方法は、元本が確保される運用の方法として政令で定めるものでなければならない。
解答 E
 


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