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第35回(平成15年)試験問題から   【択一式問題】

労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識


〔問〕  次の記述のうち、正しいものはどれか。
 職業能力開発基本計画(第7次)においては、キャリア・コンサルティングの適切な実施の重要性が指摘されているが、そのキャリア・コンサルティングとは、労働者が、その適性や職業経験等に応じて自ら職業生活設計を行い、これに即した職業選択や職業訓練の受講等の職業能力開発を効果的に行うことができるよう、労働者の希望に応じて実施される相談をいう。
 ホーソン実験とは、シカゴのウェスタン・エレクトリック会社のホーソン工場で、1927年から10年にわたって行われた実験であり、これにより得られた結論の1つは、人間の生産能率には、上司や仲間に対して抱く感情、気分、態度といったような人間関係的な要素は影響していない、というものであった。
 厚生労働省「平成13年版労働経済白書」によれば、テレワークとは、情報通信ネットワークを活用して、時間と場所に制約されることなくいつでもどこでも仕事ができる働き方をいい、テレワークには、雇用形態で行われる在宅勤務、サテライトオフィス勤務、モパイルワークと、非雇用形態で行われるSOHO(smallOffice、Home Office)とがある。このうち、雇用形態で行われる在宅勤務については、平成12年6月に「在宅ワークの適正な実施のためのガイドライン」が策定されている。
 怠業には、能率を低下させるスローダウンといわれる消極的怠業と、不良品を生産したり機械に損傷を与えるなどの使用者に対する破壊行為、妨害行為を行うサボタージュといわれる積極的怠業があるが、いずれについても労働関係調整法第7条の争議行為であることから、いかなる場合でも、労働組合の正当な行為として認められ、刑事上の免責が与えられることとなる。
 建設労働者の雇用の改善等に関する法律によれば、事業主は建設労働者を雇用して建設事業を行う場合には、建設労働者の技能の向上に関すること、建設労働者の職業生活上の環境の整備に関すること及びその他建設労働者に係る雇用管理に関する事項健設労働者の募集、雇入れ及び配置に関する事項を除く。)のうち、当該建設事業を行う事業場において処理すべき事項を管理させるために、当該事業場ごとに雇用管理責任者を選任しなければならないとされている。
解答 A
 


〔問〕  次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、この間において「障害者雇用促進法」とは「障害者の雇用の促進等に関する法律」のことである。
 厚生労働省「平成13年度能力開発基本調査」によると、自己啓発にあたっての問題点として、「やるべきことがわからない」をあげた従業員の割合は、「忙しくて自己啓発の余裕がない」、「費用がかかりすぎる」、「休暇取得・早退等が会社の都合でできない」をあげた従業員の割合より高くなっている。
 職業能力開発促進法及び同法施行規則によると、事業主は、職業能力開発推進者を選任し、その雇用する労働者の職業能力の開発及び向上が段階的かつ体系的に行われることを促進するために、必要な措置を定めた計画を作成するように努めなければならないが、特に、常時雇用する労働者が100人を超える事業所については、職業能力開発推進者を選任し、当該計画を作成することが義務づけられている。
 障害者雇用促進法に基づく障害者雇用率を基礎として、事業所において雇用すべき障害者の数を算出するにあたり、障害者の就業が困難であると認められる職種の労働者が相当の割合を占める業種の事業所については、事業主の申請に基づき、業種ごとにその事業所で雇用している労働者の数に応じて定められている「除外率」を用いることにより、その数を減ずることが認められている。
 常時雇用する労働者(障害者雇用促進法第14条第1項に規定されている短時間労働者を除く。)が1,000人の事業所で、適用される障害者雇用率が1.8%,除外率が40%の場合における当該事業所の法定雇用障害者数は、次の計算により11名と
      なる。
     (1,000人−1,000人×40%)×1.8%=10.8人
 平成14年に障害者雇用促進法が改正され、従前からあった子会社に関しての特例である、いわゆる特例子会社制度に加え、関係会社(特例子会社の親事業主と厚生労働省令で定める特殊の関係がある会社をいう。)についても同法第14条第1項の規定の適用については、申請に基づき、当該関係会社が雇用する労働者は当該親事業主のみが雇用する労働者と、当該関係会社の事業所は当該親事業主の事業所とみなす、と規定されるなど、親事業主と特例子会社及び関係会社の企業グループで障害者雇用率を算定することが可能となった。
解答 E
 


〔問〕  賃金等に関する記述のうち、誤っているものはどれか。
 厚生労働省「平成14年賃金構造基本統計調査(初任給)」によると、産業計、規模計でみた平成14年の高卒以上の初任給は、男女計では各学歴とも概ね前年と同水準になっている。男性についてみると、大卒を除き、高専・短大卒、高卒ともに前年を下回っている。
 厚生労働省の調査によると、平成14年の民間主要企業の春季賃上げ妥結結果は、賃上げ額、賃上げ率のいずれにおいても、前年の妥結結果を下回った。このような結果は5年連続のことである。
 厚生労働省「平成14年賃金引上げ等の実態に関する調査」によると、全企業のうち平成14年中に1人当たり平均賃金を引き上げる企業割合は前年に比べて大幅に減少し、これを引き下げる企業割合や賃金の改定を実施しない企業割合は前年に比べて増加した。
 また、平成14年中に何らかの賃金カット等を実施又は予定している企業割合は、前年よりも増加した。賃金カット等の方法としては、「賃金カットを行った・行う」企業割合が、「諸手当の減額を行った・行う」企業割合を上回っている。
 平成14年度の地域別最低賃金の改正については、各都道府県労働局に設置されている地方最低賃金審議会において、厚生労働省に設置されている中央最低賃金審議会から提示された「平成14年度地域別最低賃金額改定の目安について(答申)」を参考にし、関係労使の意見、賃金実態の調査の結果等を考慮して審議が進められ、すべての都道府県で、地域別最低賃金が決定された。なお、現在、地域別最低賃金額は、日額及び時間額で表示されている。
 厚生労働省「平成14年労働組合基礎調査」によると、労働組合数も労働組合員数も前年に比べ減少し、労働組合の推定組織率は20.2%と前年に比べてわずかに低下し、推定組織率の低下傾向が続いている。なお、こうした中で、パートタイム労働者の組合員数は前年より増加しているが、パートタイム労働者にかかる推定組織率は3%を下回る状況である。
解答 D
 


〔問〕  次の記述のうち、誤っているものはどれか。
なお、この間において「白書」とは厚生労働省「平成14年版労働経済白書」のことである。
 総務省「労働力調査」によると、平成14年の我が国の完全失業率は年齢計で5.4%であるが、その中でも、特に若年層の完全失業率が高く、15〜19歳層及び20〜24歳層の完全失業率は、40〜59歳層の完全失業率の2倍以上となっている。
 白書によれば、我が国の新規学卒者の離職率の高さは「七五三」と言われるように、中卒者の7割 高卒者の5割、大卒者の3割が、3年以内に最初の就職先を離職している、としている。さらに、若年者の失業率の上昇には、自発的な離職の増加が大きく影響しており、学卒採用時の環境が厳しいほど不本意な就職先に就職した者が多いため、将来の離職が増えると考えられる,としている。
 厚生労働省は、公共職業安定所に求職登録している学卒未就職者や早期離転職者をはじめとする30歳未満の若年者を、公共職業安定所の紹介により短期間の試行雇用(トライアル雇用)として受け入れる企業に対する支援を行い、その後の常用雇用への移行を義務づけることとしている。具体的には、若年者を短期間トライアル雇用する事業主に「試行雇用奨励金」が支給され、奨励金は、若年者1人につき1か月5万円で、最大6か月間支給される。
 白書によれば、失業のかなりの部分が労働力需給のミスマッチによって生じていると考えられる、とし、ミスマッチを、広い意味で、失業と求人が同時に存在しながら、それが結合しない状態とするならば、それが生じる理由としては、大きく、職業能力の不一致、情報の不完全性、労働者や企業の選好の三つが考えられる、と分析している。
 雇用対策法においては、事業主は労働者の募集及び採用について、その年齢にかかわりなく均等な機会を与えるように努めなければならない、とする旨が規定されている。厚生労働省は,求人の年齢制限の対象とされがちな中高年齢者の求人を確保し、再就職を促進するために、平成15年1月に各都道府県労働局長あて、求人年齢制限緩和に関する取組みの充実についての通達を発出した。通達では、公共職業安定所で受理した求人のうち、「年齢不問」の求人の割合を、平成17年度に30%とすることを目標としている。
解答 C
 


〔問〕  次の記述のうち、正しいものはどれか。
 雇用対策法第1条においては、国が雇用に関し、その政策全般にわたり、必要な施策を総合的に講ずることにより、労働力の需給が質量両面にわたり均衡することを促進して、国民経済の均衡ある発展と完全雇用の達成とに資すること等を同法の目的とする旨が規定されており、厚生労働大臣の指針において、完全雇用水準を完全失業率が概ね2%以下と明記している。
 総務省「労働力調査」によると、平成14年平均の非労働力人口数、完全失業者数、完全失業率のいずれもが、調査開始(昭和28年)以来の過去最大の数値となった。
 使用者は、労働組合法第7条の規定により不当労働行為を行うことが禁止されており、これに違反した使用者は、当該不当労働行為を行ったことを構成要件とする労働組合法第28条の罰則規定に基づき、1年以下の禁こ若しくは10万円以下の罰金に処せられ、又はこれを併科される。
 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律及び同法施行規則によると、公共職業安定所長は、定年や継続雇用制度がある場合における当該制度の定めるところによる退職により離職することとなっている高年齢者等の職業の安定を図るために必要があると認めるときは、当該高年齢者等を雇用している事業主に対して、再就職援助計画の作成を要請することができるが、当該高年齢者等が解雇により離職する場合には要請することはできない。
 「企業者は、かような経済活動の一環としてする契約締結の自由を有し、自己の営業のために労働者を雇傭するにあたり、いかなる者を雇い入れるか、いかなる条件でこれを雇うかについて、法律その他による特別の制限がない限り、原則として自由にこれを決定することができる」旨の最高裁判所の判決があるが、法令による制限がない現状においては、使用者の採用の自由が保障されており、誰を採用するかは、使用者の自由である。
解答 B
 


〔問〕  社会保険労務士法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
 社会保険労務士が、労働社会保険諸法令に違反する行為について指示をし、相談に応じ、その他これらに類する行為をしたときは、罰則は科せられないが、社会保険労務士の信用又は品位を害するような行為に対しては罰則が科せられる。
 開業社会保険労務士は、その業務に関する帳簿に必要事項を記載、帳簿閉鎖の時から2年間保存しなければならない。開業社会保険労務士でなくなったときは、その時から1年間保存しなければならない。
 社会保険労務士会又は全国社会保険労務士会連合会は、社会保険労務士会の会員について、懲戒事由に該当する行為又は事実があると認めたときは、厚生労働大臣に対し、当該会員の氏名及び事業所の所在地並びにその行為又は事実を通知するとともに、官報に掲載しなければならない。
 社会保険労務士は、社会保険労務士法人を設立することができるが、社会保険労務士の業務を組織的に行うためには、社会保険労務士でない者を社員とすることもできる。
 開業社会保険労務士が、正当な理由がなくて、その業務に関して知り得た秘密を他に漏らし、又は盗用したときは、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられる。
解答 E
 


〔問〕  社会保険の実施に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
 厚生年金保険の披保険者に係る事務は、社会保険事務所等において実施されている。
 健康保険の日雇特例被保険者の保険の保険者の事務は、社会保険庁長官が行う。
 介護保険における要介護認定、保険料の普通徴収、給付などの事務は、市町村が行う。
 平成13年度までは、国民年金の徴収事務はすべて市町村が行っていた。
 国民年金事業の事務の一部は、共済組合等に行わせることができる。
解答 D
 


〔問〕  介護保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
 介護保険における要介護認定は、40歳以上伍歳未満の場合は、医師の診断書のみにより決定されるが、65歳以上の者は市町村長の調査のみで決定される。
 介護保険の保険料は40歳以上の者から徴収されるが、給付は65歳以上の者のみを対象としている。
 第1号被保険者の保険料は、所得状況に応じて原則5段階となっているが、市町村の判断で6段階にすることも可能である。
 介護保険の給付費の50%は公費で賄われており、その内訳は、国が30%で、都道府県と市町村がそれぞれ10%ずつ負担することとなっている。
 保険料の特別徴収(年金からの天引き)は、原則、老齢退職年金給付を対象に行われるが、年金額が一定額以上の者については、障害年金給付や遺族年金給付も対象となる。
解答 C
 


〔問〕  社会保険における給付の制限に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
 厚生年金保険の被保険者又は被保険者であった者が故意に障害又はその直接の原因となった事故をおこしたときは、その障害を支給事由とする障害厚生年金は等級を下げて支給する。
 国民健康保険の保険給付を受けることができる世帯主又は組合員が災害その他の政令で定める特別の事情がないのに保険料を滞納しているときは、保険給付の全部又は一部の支払を一時差し止めることができる。
 国民年金の受給権者が正当な理由がなくて現況届を提出しないときは、年金給付の支払を一時差し止めることができる。
 健康保険の被保険者又は被保険者であった者が正当な理由なしに療養に関する指示に従わないときは、保険給付の一部を行わないことができる。
 国民年金の被保険者又は被保険者であった者を故意に死亡させた者には、その死亡を支給事由とする遺族基礎年金、寡婦年金又は死亡一時金を支給しない。
解答 A
 


〔問10〕  確定給付企業年金法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
 確定給付企業年金は、事業主が拠出した資金を個人が自己の責任において運用の指図を行い、高齢期において自己の運用の結果に基づいた給付を受けることができるようにするための制度である。
 確定給付企業年金の給付は、老齢給付金及び死亡一時金を基本とし、規約の定めにより、障害給付金や遺族給付金の給付も行うことができる。
 年金給付の支給期間及び支払期月は、規約で定めるところによるが、必ず終身にわたり毎年1回以上定期的に支給するものでなければならない。
 事業主等は、積立金の運用に関して、運用の目的その他を記載した基本方針を作成し、その基本方針に沿って、安全かつ効率的に運用しなければならない。
 給付を受ける権利は、受給権者の請求に基づいて、資産管理運用機関が裁定する。
解答 D
 

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