ウェブテキスト 労働基準法3
労働基準法1

労働基準法12・3・45
法令参照(総務省e-Gov)

労働時間 ★★★
◆ 労働時間(32条

  各業種の法定労働時間(週)は次のとおり

各業種10人以上 10人未満
製造業(1号)〜林業(6号) 40 40
商業(8号) 40 44
金融・広告業(9号) 40 40
映画・演劇業(10号) 40 44
通信業(11号)、教育研究業(12号) 40 40
保健衛生業(13号)、接客娯楽業(14号) 40 44
清掃・と畜業(15号) 40 40
官公署 40 40
その他の事業 40 40
各業種とも基本は週40時間、ただし商業、映画・演劇業、保健衛生業、接客娯楽業の10人未満の事業所は
   44時間(特例−法40条、則25条の2参照)
農業(6号)、水産業(7号)は労働時間の適用除外

通達 人数を数える時、パート、派遣中の労働者も含めて、労働者数とする(S63.3.14基発150)。

 

@ 会社の就業規則に決められている拘束時間から休憩時間を除いた時間を所定労働時間という。
A 午前9時始業、午後6時終業で、正午から午後1時を休憩時間としている場合は、
     拘束時間9時間−休憩時間1時間で所定労働時間は8時間となる。

通達 出勤を命ぜられ、一定の場所に拘束されている以上いわゆる手待時間も労働時間である(S33.10.11基収6286)。
・労働者が使用者の実施する時間外の教育に参加することについて、就業規則上の制裁等の不利益扱いによる出席の強制がなく自由参加のものであれば時間外労働にはならない(S26.1.20基収2875、H11.3.31基発168)。
・休憩時間に来客当番として待機させていれば、それは労働時間である。なお、この場合は休憩時間を他に与えなければならないこととなるが、その際は法第34条第2項ただし書きによる労使協定を締結しなければならない(S23.4.7基収1196、S63.3.14.基発150、H11.3.31基発168)。

判例 □ 労働時間の例
 職場安全会議への出席時間、業務として行われた専門委員会への参加時間、作業の前後における作業服及び保護具等の着脱に要する時間(最H12.3.9)手待時間とみなされるビル管理人の休憩、仮眠時間(最H14.2.28)、私鉄の駅務員の点呼の時間
■ 労働時間でない例
 出張先への往復に要した時間、福利厚生活動の一環としての趣味の会の活動、更衣時間(最S59.10.18)、始業前の出勤に伴う所定の入退場門から更衣室までの移動及び終業時刻後に更衣室等から事業所外に退出するための入退場門までの移動並びに作業終了後の事業所内での洗身等及びその後の通勤服の着用並びに休憩時間中の作業服、保護具等の着脱に要する時間(最H12.3.9)、国外出張中の移動時間



変形労働時間 ★★★
◆ 1箇月単位の変形労働時間(32条の2 重要ポイント
書面による協定 行政官庁への届出
 使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、又は就業規則その他これに準ずるものにより、一箇月以内一定の期間を平均し一週間当たりの労働時間が前条第一項の労働時間(1週間について40時間)を超えない定めをしたときは、同条の規定にかかわらず、その定めにより、特定された週において同項の労働時間又は特定された日において同条第二項の労働時間(1日について8時間)を超えて、労働させることができる。
 使用者は、厚生労働省令で定めるところにより、前項の協定を行政官庁に届け出なければならない。

協定事項 届出 所轄労働基準監督署長
・常時10人未満の労働者を使用する事業場(就業規則の作成義務なし)では、就業規則に準じた文書に一定の事項を定め、労働者に周知

計算式 40H(44H)*変形期間の暦日数/7



通達 ・1箇月単位の変形労働時間制を採用する場合には、労使協定による定め又は就業規則その他これに準ずるものにより、変形期間における各日、各週の労働時間を具体的に定めることを要し、変形期間を平均し週40時間の範囲内であっても使用者が業務の都合によって任意に労働時間を変更するような制度はこれに該当しない。なお、法第89条は就業規則で始業及び終業の時刻を定めることと規定しているので、就業規則においては、各日の労働時間の長さだけではなく、始業及び終業の時刻も定める必要がある(S63.1.1基発1、H9.3.25基発195、H11.3.31基発168)。
・労使協定により定めるか就業規則その他これに準ずるものにより定めるかについては、最終的に
使用者が決定できる(H11.1.29基発45)。
・労使協定において定めるべき事項は、変形期間の起算日を含め労使協定による場合と就業規則その他これに準ずるものによる場合との間で基本的には差異がない。ただし、
労使協定による場合には、その有効期間の定めをしなければならない。なお法第32条の2第1項の規定により労使協定において各日、各週の労働時間等を定めた場合であっても、就業規則において法第89条に規定する事項を定める必要がある(H11.1.29基発45)。

過去問 〔H19〕
 1か月単位の変形労働時間制を採用した場合、変形期間を平均し1週間当たりの労働時間が週法定労働時間以内となるようにするために行う、変形期間における所定労働時間の総枠の計算は、次の式によって行う。
   その事業場の週法定労働時間×変形期間の暦日数÷7
 
正  法32条の2、平9.3.25基発195


◆ フレックスタイム制(32条の3) 重要ポイント
書面による協定
 使用者は、就業規則その他これに準ずるものにより、その労働者に係る始業及び終業の時刻をその労働者の決定にゆだねることとした労働者については、当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、次に掲げる事項を定めたときは、その協定で第二号の清算期間として定められた期間を平均し一週間当たりの労働時間が第三十二条第一項の労働時間を超えない範囲内において、同条の規定にかかわらず、一週間において同項の労働時間又は一日において同条第二項の労働時間を超えて、労働させることができる。

フレックスタイム制
清算期間はその期間を平均し1週間あたりの労働時間が法定労働時間を超えない範囲内において労働させる時間をいう

通達 ・フレックスタイム制を採用した場合に時間外労働となるのは、清算期間における法定労働時間の総枠を超えた時間であること。したがって、法第36条第1項の規定による協定についても、1日について延長することができる時間を協定する必要はなく、清算期間を通算して時間外労働をすることができる時間を協定すれば足りるものである(S63.1.1基発1、H11.3.31基発168)。

過去問 〔H17〕
 フレックスタイム制においては、始業及び終業の時刻を、対象となる労働者の決定にゆだねているところから、フレックスタイム制を採用する事業場においては、使用者は、対象労働者については、各労働者の各日の労働時間の把握を行う必要はない。
 
  昭63.3.14基発150


◆ 1年単位の変形労働時間制(32条の4
書面による協定 行政官庁への届出
 使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、次に掲げる事項を定めたときは、第三十二条の規定にかかわらず、その協定で第二号の対象期間として定められた期間を平均し一週間当たりの労働時間が四十時間を超えない範囲内において、当該協定(次項の規定による定めをした場合においては、その定めを含む。)で定めるところにより、特定された週において同条第一項の労働時間又は特定された日において同条第二項の労働時間を超えて、労働させることができる。
1
この条の規定による労働時間により労働させることができることとされる労働者の範囲
2 対象期間(その期間を平均し一週間当たりの労働時間が四十時間を超えない範囲内において労働させる期間をいい、一箇月を超え一年以内の期間に限るものとする。以下この条及び次条において同じ。)
3 特定期間(対象期間中の特に業務が繁忙な期間をいう。第三項において同じ。)
4 対象期間における労働日及び当該労働日ごとの労働時間(対象期間を一箇月以上の期間ごとに区分することとした場合においては、当該区分による各期間のうち当該対象期間の初日の属する期間における労働日及び当該労働日ごとの労働時間並びに当該最初の期間を除く各期間における労働日数及び総労働時間)
5 その他厚生労働省令で定める事項=有効期間の定め

1年単位の変形労働時間制労使協定内容 ・対象期間の途中で採用された労働者や期間の途中で退職する予定の労働者も適用
・特定期間は対象期間のうち特に
業務が繁忙な期間として労使協定で定めた期間
・対象労働者を労働させた期間を平均し1週間あたり40時間を超えた時間(除外規定あり)の労働については割増賃金支払い

通達 ・法第32条の2第1項及び第32条の4の特定された日又は週とは、就業規則等によってあらかじめ8時間を超えて労働させることが定められている日又は1週間の法定労働時間を超えて労働させることが具体的に定められている週の意味である(S23.7.15基発1690)。
・採用する適用対象労働者が明確にされていれば、中途採用者を1年単位の変形労働時間制の対象とする場合などのように、1つの事業場で複数の1年単位の変形労働時間制を採用することは可能であるが、その際、それぞれの1年単位の変形労働時間制ごとに労使協定を締結し、届け出ることが必要である(H6.5.31基発330)。
・1年単位の変形労働時間制は、週40時間労働制を前提とする制度であり、変形期間を平均し1週間の労働時間が40時間を超えない定めをすることが要件とされているが、その趣旨は、変形期間における労働時間の合計を次の式によって計算される時間の範囲内とすることが必要であるということ
   40×(変形期間の暦日数/7)  (H6.1.4基発1、H9.3.25基発195)。


◆ 1週間単位の非定型的変形労働時間制(32条の5

書面による協定 行政官庁への届出
小売業、旅館、料理店及び飲食店(常時使用する労働者数が30人未満)  労使協定 届出 所轄労働基準監督署長 1週40時間、1日10時間
・使用者は、1週間の各日の労働時間をね少なくとも当該1週間の開始する前に書面により労働者に通知
・ただし、緊急でやむを得ない事情の場合は前日までに書面通知
・使用者は、1週間の各日の労働時間を決める時は
労働者の意見を尊重するよう努めなければならない


◆ 変形労働時間のまとめ

1箇月単位 フレックス 1年単位 1週間単位
必要な手続き 就業規則等か
労使協定
就業規則等と
労使協定
労使協定 労使協定
労使協定の届出 ×
週平均労働時間 法定労働時間(特例可) 40時間(特例不可)
労働時間の上限 週52H
日10H
日10H
有効期間の定め ×
変形期間の起算日の定め ×
育児を行う労働者への配慮義務 ×

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