ウェブテキスト 労災保険法4
労働基準法1

労災保険法123・4・5番外(業務災害と通勤災害)
法令参照(総務省e-Gov)

◆ 遺族補償給付 (16条)
遺族補償給付


◆ 遺族補償年金 (16条の2〜5) ★★★
■ 受給資格者
   遺族補償年金を受けることができる遺族は、労働者の
配偶者、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹であって、労働
  者の死亡の当時その収入によって生計を維持していたもの
となる。ただし、妻(事実婚含む)以外の者にあっては、
  労働者の死亡の当時次の各号に掲げる要件に該当した場合に限る。
1 夫(事実婚含む以下同)、父母又は祖父母 60歳以上
2 子又は孫 18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間
3 兄弟姉妹 18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間
又は60歳以上
4 前3号の要件に該当しない夫、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹 厚生労働省令で定める障害の状態
・労働者の死亡の当時胎児であった子が出生したときは、その子は、労働者の死亡の当時その収入によっ
 て生計を維持していた子とみなされる。
・遺族補償年金を受けるべき遺族の順位は、配偶者、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹の順序となる。

遺族補償年金の受給資格者の順位と要件
一定の障害の状態とは、身体に第5級以上の障害がある状態又は負傷若しくは疾病が治らないで、身体の機能若しくは精神に、労働が高度の制限を受けるか、若しくは労働に高度の制限を加えることを必要とする程度以上の障害がある状態をいう。

■ 受給権者
   遺族補償年金は、受給資格者のうち最先順位者だけが受けることができ、この最先順位者を受給権者という。
■ 若年停止対象者
   労働者の夫(事実婚含む)、父母、祖父母及び兄弟姉妹であって、労働者の死亡の当時、その収入によって生計を
  維持し、かつ、
55歳以上60歳未満であったものは、遺族補償年金を受けることができる遺族となる。順位は上記「遺
  族補償年金の受給資格者の順位と要件」の順位6位の兄弟姉妹に続き、夫、父母、祖父母及び兄弟姉妹の順とな
  る。ただし、受給権者となってもその者が60歳に達するまでの間、遺族補償年金は
支給停止される。
   また、受給順位はその者が60歳に到達した後も変わらない。
■ 転  給
   遺族補償年金を受ける権利は、その権利を有する遺族が次の各号の一に該当するに至ったときは、消滅する。
  この場合において、同順位者がなくて後順位者があるときは、次順位者に遺族補償年金が支給される。
1 死亡したとき。
2 婚姻(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含む。)をしたとき。
3 直系血族又は直系姻族以外の者の養子(届出をしていないが、事実上養子縁組関係と同様の事情にある者を含む。)となったとき。
4 離縁によって、死亡した労働者との親族関係が終了したとき。
5 子、孫又は兄弟姉妹については、18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したとき(労働者の死亡の時から引き続き一定の障害の状態にあるときを除く)。
6 一定の障害の状態にある夫、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹については、その事情がなくなつたとき(夫、父母又は祖父母については、労働者の死亡の当時60歳以上であったとき、子又は孫については、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるとき、兄弟姉妹については、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるか又は労働者の死亡の当時60歳以上であつたときを除く)。
■ 遺族補償年金の額
   遺族補償年金の額は、法別表第一に規定する額となる。受給権者並びに受給権者と生計を同じくしている受給資
  格者(若年停止対象者は対象とならない)の合計人数によって、次表の金額となる。
遺族の数 年  金  額
1人 給付基礎日額の153日分
ただし、
55歳以上の妻又は一定の障害の状態にある妻の場合は175日分
2人 給付基礎日額の201日分
3人 給付基礎日額の223日分
4人以上 給付基礎日額の245日分
受給権者が2人以上あるときは、この額を受給権者の数で除した額が、各受給権者の受給額となる。
■ 遺族補償年金の消滅(失権)
   受給権者が次の一つに該当するに至った時は、受給権は消滅(失権)する。
1 死亡したとき
2 婚姻(事実婚を含む)をしたとき。
3 直系血族又は直系姻族以外の者の養子(届出をしていないが、事実上養子縁組関係と同様の事情にある者を含む)となったとき。
4 離縁によつて、死亡した労働者との親族関係が終了したとき。
5 子、孫又は兄弟姉妹については、18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したとき(労働者の死亡の時から引き続き一定の障害の状態にあるときを除く)。
6 一定の障害の状態にある夫、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹については、その事情がなくなったとき(夫、父母又は祖父母については、労働者の死亡の当時60歳以上であったとき、子又は孫については、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるとき、兄弟姉妹については、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるか又は労働者の死亡の当時60歳以上であつたときを除く)。
・受給資格者が1〜6の事由に該当したときには、受給権者と同じように、その権利を失う(失格)。
・遺族補償年金の受給権(受給資格)をいったん失権(失格)した場合、復活はない。
■ 遺族補償年金の支給停止
@ 遺族補償年金を受ける権利を有する者の所在が1年以上明らかでない場合には、当該遺族補償年金は、同順位者があるときは同順位者の、同順位者がないときは次順位者の申請によって、その所在が明らかでない間、その支給がを停止される。この場合、同順位者がないときは、その間、次順位者が先順位者とされる。
遺族補償年金の支給を停止された遺族は、いつでも、その支給の停止の解除を申請することができる。
・・・申請しなければ解除されない。
A 労働者の死亡当時、55歳以上の夫、父母、祖父母、兄弟姉妹は、60歳に達するまでの間支給停止される。(若年停止対象者)
B 遺族補償年金前払一時金が支給される場合には、各月に支給されるべき額の合計額が遺族補償年金前払一時金の額に達するまでの間支給停止される。

過去問 〔H19〕
  遺族補償年金又は遺族年金を受けることができる遺族は、労働者の配偶者、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹であって、労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していたものであるが、妻(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含む。)以外の者にあっては、労働者の死亡の当時@夫(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含む。)、父母又は祖父母については60歳以上、A子又は孫については18歳未満、B兄弟姉妹については18歳未満又は60歳以上、C上記の要件に該当しない夫、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹については厚生労働省令で定める障害の状態にある場合に限られる
  
 (16条の2第1項、22条の4第3項、法附則(40)43条第1項)

 遺族補償年金又は遺族年金を受けることができる遺族について、労働者の死亡の当時胎児であった子が出生したときは、その子は、将来に向かって、労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していたとみなされ、また、その子が厚生労働省令で定める障害の状態で出生した場合についても、将来に向かって、労働者の死亡の当時厚生労働省令で定める障害の状態にあったものとみなされる
  
 (16条の2第2項、22条の4第3項)

 遺族補償年金又は遺族年金の受給資格要件の一つである厚生労働省令で定める障害の状態は、身体に障害等級第5級以上に該当する障害がある状態又は傷病が治らないで、身体の機能若しくは精神に、労働が高度の制限を受けるか、若しくは労働に高度の制限を加えることを必要とする程度以上の障害がある状態である。
  
正 (則15条、15条の9)


◆ 遺族補償年金前払一時金 (附則60条
遺族補償年金の受給権者の請求により、給付基礎日額の1,000日分を上限として、前払いする制度。
■ 請  求
遺族補償年金の請求と同時に行わなければならないが、支給決定の通知があった日の翌日から起算して1年を経過する日までの間は、年金の請求後でも前払一時金の請求ができる。
請求は、同一の事由に関して1回限り
55歳以上の夫、父母、祖父母、兄弟姉妹(若年停止対象者)は、60歳に達するまでの間遺族補償年金は支給停止されるが、他の要件を満たす限り、前払一時金は請求により支給される。
■ 前払一時金の額
   給付基礎日額の200日分、400日分、600日分、800日分、1,000日分に相当する額のうち、
受給権者が選択する。


◆ 遺族補償一時金 (16条の6〜8) ★★★
■ 支給事由及び支給額
1 労働者の死亡の当時遺族補償年金を受けることができる遺族がないとき。
・・・給付基礎日額の1,000日分
2 遺族補償年金を受ける権利を有する者の権利が消滅した場合において、他に当該遺族補償年金を受けることができる遺族がなく、かつ、当該労働者の死亡に関し支給された遺族補償年金の額の合計額が給付基礎日額の1,000日分に満たないとき。
・・・
その差額
■ 受給資格者・受給権者
   遺族補償一時金の受給資格者は、下図に掲げる遺族であって、遺族補償年金について受給資格のない者又は
  失権・失格したものであり、これらの者のうち最先順位者が受給権者となる。
遺族補償一時金の受給資格者の範囲と順位
上図の生計維持ありとは、労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していたということである。労働者の死亡後に身分関係が変動しても影響はない。
 遺族補償年金の受給権者が遺族補償年金を受ける権利が消滅した際に支給される遺族補償一時金については、遺族補償年金の受給権者であったが婚姻により失権した配偶者であっても受給権者となる。

過去問 〔H19〕
   遺族補償一時金又は遺族一時金の支給を受けることができる遺族は、労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していなかった配偶者、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹であり、遺族補償一時金又は遺族一時金の支給を受けるべき遺族の順位も、この順序による。
  
 上図のとおり(16条の7、22条の4第3項)


◆ 受給資格の欠格 (16条の9
1 労働者を故意に死亡させた者は、遺族補償給付を受けることができる遺族(受給資格者)としない。
2 労働者の死亡前に、当該労働者の死亡によって遺族補償年金を受けることができる先順位又は同順位の遺族となるべき者を故意に死亡させた者は、遺族補償年金を受けることができる遺族としない。
3 遺族補償年金を受けることができる遺族を故意に死亡させた者は、遺族補償一時金を受けることができる遺族としない。労働者の死亡前に、当該労働者の死亡によって遺族補償年金を受けることができる遺族となるべき者を故意に死亡させた者も、同様とする。
4 遺族補償年金を受けることができる遺族が、遺族補償年金を受けることができる先順位又は同順位の他の遺族を故意に死亡させたときは、その者は、遺族補償年金を受けることができる遺族でなくなる。この場合において、その者が遺族補償年金を受ける権利を有する者であるときは、その権利は、消滅する。


◆ 葬祭料 (17条
■ 支給事由
   業務災害により死亡した労働者の
葬儀を行う者に対して、その請求に基づき支給される。
■ 葬祭料の支給額
   
315,000円+給付基礎日額の30日分(その額が給付基礎日額の60日分に満たない場合には、給付基礎日額の
  
60日分)。



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