職能給

 職務遂行能力により決定される賃金であり、「同一能力同一賃金」の意味を持つ。能力のみの単一型と属人要素を加味した並存型がある。配置転換などに左右されず、本人の能力次第で賃金が決定できる。能力評価の方法としては、職能資格制度を前提とした職能分類制や能力序列による格付け、経験年数・技能資格、実技・筆記試験などがある。
 職能給の利点としては、年功重視より能力重視まで幅広い運用が可能となることや労力を要する職務分析や職務評価が比較的容易にできることなどがある。
 一方課題としては、職務遂行能力を評価基準により、絶対的な評価をすることが困難であり相対的な評価となりやすいことや高齢化によるポスト不足のため、職務遂行能力を評価して賃金を上げると職務に関係のない人件費が上昇すること、能力評価が客観的に行えず、運用が年功本位となりがちであることなどが上げられる。