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 超特急十六夜記

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 十六夜(いざよい)の月は、字のごとく満月の次、16日目の月です。十五夜より50分ほど遅れて「いざよい(ためらい)」ながら出てくる月のことを言うようです。
 このページは労務管理用語の解説を中心にしています。かつての社労士試験では、労務管理は重要なポイントであり、特に試験が選択式ではなく記述式であったころなどは、最重要ポイントでありましたが、最近では出題も少なく影が薄くなっています。そのようなことから、労務管理を十六夜の月になぞらえています。
 試験勉強に疲れた時などにお読みいただければと思います。

労務管理用語集
 
職能給
 職務遂行能力により決定される賃金であり、「同一能力同一賃金」の意味を持つ。能力のみの単一型と属人要素を加味した並存型がある。配置転換などに左右されず、本人の能力次第で賃金が決定できる。能力評価の方法としては、職能資格制度を前提とした職能分類制や能力序列による格付け、経験年数・技能資格、実技・筆記試験などがある。職能給の利点としては、年功重視より能力重視まで幅広い運用が可能となることや労力を要する職務分析や職務評価が比較的容易にできることなどがある。
 一方課題としては、職務遂行能力を評価基準により、絶対的な評価をすることが困難であり相対的な評価となりやすいことや高齢化によるポスト不足のため、職務遂行能力を評価して賃金を上げると職務に関係のない人件費が上昇すること、能力評価が客観的に行えず、運用が年功本位となりがちであることなどが上げられる。

 
職務給
 従事する職務の価値によって賃金を定める方式であり「同一労働同一賃金」の原則に立つものである。導入の手順としては、職務分析を行い、その結果を職務記述書に記入し他の職務との違いを明らかにする。そのうえで職務記述書を検討することにより、その職務の相対的価値を判定し、価値に応じた賃金表を作成し賃金を決定するという一連の流れとなる。職務評価の方法としては、序列法、分類法、点数法、要素比較法などがある。
 職務給の問題点としては、職務分析・職務評価が困難であり、多大の労力を要することや配置・異動など人事制度の弾力的運用が困難となることなどがある。

 
労働力人口

 生産年齢人口(15歳以上の者)のうち現在就業している者と完全失業状態にある者との合計数。

 
職能資格制度

 職能資格の要件を示す職能資格基準により、配置・異動、能力開発の指標として昇格・昇進に結びつけるトータルな人事処遇システムである。年功主義から能力主義へ転換するには、職能資格制度を軸とした人事システムが有効である。

 
M.T.P
 (中級管理者訓練)
 Management Training Programの略。管理者訓練の代表的なもの。第2次世界大戦後アメリカ占領軍が日本人管理者教育用として作成したものである。内容は、管理の基本、組織の問題、仕事の改善、仕事の管理、部下の育成、人間関係など広い分野に及んでいる。

 
OJTとOFFJT

 O.J.T.は仕事場の中で、仕事に即して、上司や先輩が系統立てて行う教育訓練。長所は、労働時間内にできること、費用がかからないこと、短所は、指導者が技術不足では成果があがらない、業務が忙しいと教育時間がないことなどがある。
 OFF-J.T.は職場や仕事から離れて講義や集合教育として行われる教育訓練。長所は、体系的、専門的指導で効率的に教育できる。短所は、費用がかかる、単に知識だけが与えられるなどがある。

 
組織開発
 行動科学を応用して組織全体の考え方を改革し、行動を一定の方向に方向付ける教育戦略。

 
目標管理

 企業の各レベルや個々の従業員が、企業の目標に沿って各レベルの仕事の目標を具体的定量的に自ら設定し、その目標達成のための計画や役割分担、進捗状況の統制、成果の評価などを自主的に行うことによって当事者の意欲を高め活性化させようとする、行動科学を応用した管理。

 
小集団活動

 一定期間同一の目的を持って自主的に集まり、構成員が相互に対話のできる関係になっている10人程度のグループが、自分たちの職務についての目標や評価、結果の自己評価を自主的に行い、自分たちの人間性を回復させようとする自主的活動である。生産性の向上やコストダウンに効果があるほか、従業員の意識改革、考え方の多様化、能力アップ、労働意欲の向上等にも効果がある。QCサークル活動(品質管理)、ZD運動(欠品ゼロ)などがある。

 
職務拡大と職務充実

【職務拡大】
 職務内容の単調化、定型化からくるマンネリを防止するため、仕事の範囲を増やし、単調感の排除、技能の向上等を目指すもの。職務の水平的拡大。
【職務充実】
 労働者の権限や責任の範囲を拡大し、仕事を質的に高め、職務内容の高度化、人材の有効活用を図るもの。職務の垂直的拡大。

 
心理的な偏向

@寛大化傾向・・・部下の評価はおおむね甘くなりがちになる傾向
A中心(中央)化傾向・・・一般に平均になりやすい傾向
Bハロー・エフェクト(後光効果)・・・特定の人物で評価要素中とくに優れたものとか特に劣悪なものがあると、他の要素も良く思えたり悪く思えたりする傾向
C論理誤差・・・1つの要素が良いとか悪いとかすると、その要素に論理的に関係の深い要素もそれと同じように思えるという傾向
D時間差による誤差・・・同じ人が同じ人物を評定しても、時間や順序が違うと異なった評定になりやすいという傾向

 
ワークシェアリング

 仕事の分かち合いである。一人一人の労働者の労働時間を短縮すること等により、雇用者増をもたらし全体として労働者の雇用の維持を図ろうとするもの。


労務管理理論
 
欲求5段階説
(マズロー)
 人間の基本的欲求には、@生理的欲求、A安全・安定の欲求、B所属と愛の欲求、C承認(自我)の欲求、D自己実現の欲求があるとし、@からDまでの順序(必ずしもそのとおりで無い場合もあることも指摘している)で段階的に強い欲求として現れ、欲求が段階的・動態的に進展し、その都度欲求を満たしたいという動因が働き、それを目標として「やる気」を生むというもの。

 
動機づけ・衛生理論
(ハーズバーグ)
 マズローの説を実証研究を通して批判。マズローの@ABは保健衛生のようなもので、それがないと不満であるが、それらの欲求は「やる気」をひき起こす(モチベーション)要因ではないとする。そしてマズローのBの一部である「愛の欲求」とCDこそがモチベーション要因であるとしている。

 
X理論・Y理論
(マグレガー)
 著書「企業の人間的側面」(1960年)で述べる。労働者は本来怠け者で、金銭で刺激し、監督を厳重にしていちいち命令しないと働かないものだという考え方をX理論と呼び、これに対して労働者も一定の条件のもとでは、自ら進んで創意を発揮して働くものだという考え方がY理論である。

 
人間関係論
(メイヨー、レスリスバーガー)
 アメリカのウエスタン・エレクトリック会社のホーソン工場で、ハーバード大学教授のエルトン・メイヨーやF.J.レスリスバーガーなどが行ったいわゆるホーソン実験の結果が理論化されたもの。結果のうち比較的一般に認められているのは次のとおり。@人間行動の型には大別して、論理的行動、非論理的行動、非合理的行動の3つの型があり、多く現れるのは非論理的行動であり社会的心情に基づく行動が生きた人間行動の中心であるとしている。A人間の行動は基本的欲求の満足を目指して生ずる。B非公式組織は時に公式の職制組織より強い統制力を発揮する。C人間行動は、公式組織の上で決められた「能率やコスト」の理論によってのみ動くのではなく「心情の論理」によって動く面も大きい。とする。人間関係管理の手段としては、@労使協議制、A職場懇談会、B苦情処理委員会、Cカウンセリング、D社内報、E提案制度などがある。

 
リーダーシップ理論

 R.ブレーク=J.S.ムートンのM・G理論、F.フィードラーのリーダーシップの有効性の理論、ハーシー=ブランチャードの状況的リーダーシップ理論、C.J.コールマンの再度のオープン・システム・リーダーシップの理論などがある。


自己啓発
お ま け
【教育訓練・能力開発のお話し】
 教育訓練も皆様おなじみのものですね。上の用語集で解説しているO.J.TやOff.J.Tなどという言葉を耳にされたこともあろうかと思います。企業における教育訓練は、新入社員から経営者まで様々なプログラムが考え出されています。
 このうち、管理・監督者や中堅職員に対するものとして、戦後アメリカから導入した部課長等の管理職訓練用のM.T.Pや監督者訓練用のT.W.Iは記憶の隅にとどめておく必要があります。また、職場の長は問題解決能力の技能も必要なところから、この能力を育成するものとしてP.S.T(Problem Solving Training 問題解決訓練)があります。
 上記の教育訓練はあくまで企業の側が主体であるものですが、従業員が自発的におこなうものに能力開発があります。能力開発の中心となるものは自己啓発であり、社労士の資格を取得するために勉強している方の多くが、この自己啓発に取り組んでおられます。たとえば、皆さんの会社などで資格取得を奨励しておられるとしましたら、会社が皆さんの自己啓発活動を支援し、社員の能力開発を図っているということになります。また、社労士受験指導機関が提供する教育講座で、国の指定を受けているものを受講する雇用保険の被保険者の方には、教育訓練支援給付金制度を利用することができる場合があります。教育訓練支援給付金制度はたまに社労士試験に出題されますので、講座に興味のあるなしにかかわらず調べておくと良いでしょう(厚生労働省の施策紹介ページ)




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